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農薬:栽培期間中不使用自然栽培米 南魚沼産コシヒカリ 02.22 TPP議論が不毛なのは農業が想像を絶するほど多様だから!

あなたの知らない農業の世界(1)

2011.02.18(Fri)JBプレス 有坪民雄

今回から、「あなたの知らない農業の世界」というシリーズを始めます。

 怪奇物ではありません。

 この連載のタイトルは、どこかのテレビ番組のタイトルをパクりました。ただし、内容は怪奇ものでも心霊ものでもありません。留意されることがほとんどない、しかし、議論の際に何をインプットするかによってアウトプットが吉永小百合にもマツコ・デラックスにもなるという、農業の重要な要素について書いていきます。
 書こうとした大きな動機は、マスコミを応援するためです。もっと頑張ってもらい、本当のことを伝えてもらうためです。

 近年、マスコミはネット上で叩かれることがよくあります。叩かれる理由はいくつもありますが、そのうちの1つは、「その筋の専門家」をうならせるようなコンテンツになっていないことが挙げられるでしょう。要は、中途半端な内容だということです。

汚染米事件の取材にやって来た記者たち!

 しかし、少なくとも私が知っているマスコミの方々は、総じて「知ろう」という努力はしています。

 2008年に汚染米事件が発生した時、マスコミの記者たちは、コメ偽装の実態について語れる人を目を皿のようにして探していました。

 驚いたのは、私の元にも取材の申し込みがいくつもあったことです。私がコメ偽装の実態を知っていることに、どうやって気付いたのでしょう?

私が『コメのすべて』(2006年10月発行)という本を書いていたからかと思いましたが、その本を読んでいた記者は、あまりいませんでした。汚染米の記事が載るとは思えない、ある雑誌の取材に私がちょっと話した一言が取材殺到の理由でした。

 米穀卸会社の日本ライス(大阪府東大阪市)がコメ産地を偽装した事件が表面化する前から、私は同事件の告発人から相談を受けており、事件の表も裏も知る立場にあったのをマスコミは目ざとく見つけたのです。

 取材を受けてみると、記者たちは切実でした。コメ偽装について知りたくとも、文献などありません。偽装を行った当事者たちは口を閉ざしています。それでも、記事を書かねばなりません。尻に火がついている記者たちの質問の鋭さは刃物のようでした。マスコミは、決して手を抜いているわけではないのです。

 では、マスコミの何が問題なのか? 多くの農業関係の記事を見ていて思うのは、ここさえ押さえていれば読者から「マスゴミ」扱いされないポイントがあるのに、それが何かを記者たちは知らないということです。

 この連載は、そんなポイントについて書いていきます。そして、それは一般読者にとっても農業政策を評価する際の指標になることと思います。

農業の多様さは一般的な括りに収まらない!

 農業は、極めて多様性に富んだ産業です。その多様さは、一般的な「業界」の括りからは大幅にはみ出しています。

 例えば、自動車製造業と言えば、乗用車やトラックなどを製造しますが、製造方法に大きな違いがあるわけではありません。トヨタ自動車は製造ロボットを使い、ロールスロイスは職人が手で作っているとしても、製造方法に根本的な違いはありません。

 ところが、農業は作物によって、製造方法がまったく違ってきます。野菜などの植物生産と、卵や肉を作る動物生産を、「育て方」が同じだと言う方はいないでしょう。

主要な分野を挙げるだけでも、穀物、野菜、果樹、花卉(かき)、畜産の5つがあります。そして、この分類に収まらない作物に茶やタバコ、繊維があります。一口に「繊維」と言っても、「綿」は植物を育てますが、「絹」では蚕(かいこ)という蛾を育てます。これ以外に、蜜蜂を育てて、蜜を取る農業もあります。

 こうしたカテゴリーの中にも違いは存在しています。例えば、「野菜」という1つのカテゴリーの中でも栽培法は様々です。2種類の野菜の栽培法を比べると、「種をまく」こと以外はまったく違うということもよくあります。

養鶏と和牛肥育、進んでいるのはどっち?

 おまけに、こうした農作物生産の進化は、全てが同じスピードで進んでいるわけではありません。他の産業同様、市場が大きく技術的に容易なものから農業技術は先に進化していきます。

 いわゆる機械化を「進化」と見るなら、最も進んでいるのは養鶏業でしょう。

 最先端の養鶏は、「ウインドウレス」と呼ばれる窓がない鶏舎で行われます。卵をたくさん産む品種を選択し、産卵に最も適した栄養を適切量与え、日照の代わりに照明の点灯時間を調整することで鶏の「性能」を極限まで引き出します。

 しかも、そうした管理をする規模はどんどん拡大しており、10万羽など、当たり前の世界です。手作業が完全になくなったわけではないにしても、コンピューター制御された機械を駆使して銭単位のコストダウンにしのぎを削る姿は、もはや「工業」と言った方がいいかもしれません。

 そうかと思えば、同じ畜産でも、私のやっているような和牛の肥育はかなり遅れています。繁殖が人工授精になり、肥育する頭数は増えたものの、基本的には戦前とほとんど変わりません。

 数百等規模の牛を肥育する農家では、自動給餌機を入れていたりもしますが、それが使えるのは配合飼料のみ。ワラなど粗飼料は手作業でやることになります。

しかし、粗飼料を自動給餌できるようになったとしても、おそらく農家は使わないでしょう。なぜなら、肥育に限らず乳牛でも繁殖でも、給餌作業のコストダウン以上に大事なことがあるからです。それは、牛を観察し、健康状態を判断することです。

 牛が病気になっていないかを知る最も簡単な方法は、エサ箱にエサを入れた直後に牛が食べに来るかどうかを観察することです。もしも食べに来なかったり、あるいはちょっと遅れて食べに来るようだったら、「単に腹が減っていないのか、体の調子が悪いのか、あるいは他の牛が怖くて出てこられないのか」などと理由を探っていくのです。

 そんな一番分かりやすい観察の方法を、機械化できるからと言って捨ててしまう農家はいないでしょう。

競争力の源泉も作物によってバラバラ!

 養鶏と牛の肥育は同じ畜産でありながら、そんな違いが出てくるのは、機械化水準の問題もさることながら、何が競争力の源泉なのかといった事情にも左右されます。

 卵は物価の優等生。何十年経っても価格が上がらないことで有名です。そのため競争力の源泉はコストダウンになります。

 これに対し、肥育牛の場合、枝肉重量と歩留まり率、そして肉質によって価格が大幅に違ってきます。そのため、コストダウンより品質管理が競争力の源泉になるのです。

 競争力も作物によってまったく違ってきます。国際競争力と言えば必ずやり玉に挙げられるコメなどは、確かに高い関税によって守られている側面は否定できないでしょう。しかし、15年ほど前、自由化によって鳴り物入りで入ってきた米国産リンゴは、日本ではまったくと言っていいほど受け入れられませんでした。それどころか、現在は米国でも日本の品種である「ふじ」を作っているような状態です。

あまりにも大雑把すぎるTPP議論!

 そうした理由から、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に関する議論で筆者が一番信用ならないと思っているのは、TPP導入派にせよ反対派にせよ、こうした農業の多様性を無視している主張です。

 TPP導入によって農業は活性化するのか、衰退するのか? 作物別に検討し、それらの結果を総合した上で、国益になるか否かを判断すべきなのです。

 その意味で、農水省が行う「TPPによって影響を受けるとされる19品目のシミュレーション」も、TPP導入派の言う「オランダやイスラエルをモデルにせよ」との主張も、私には説得力があるとは思えません。

 前者は19品目以外のことが見えていませんし、後者は、輸出競争力を持てると思える作物は何か、どの程度の市場拡大が見込めるのか、などを明示していません。

 農業分野に限ってTPP導入の是非を考えた場合、国内農産物が失う市場と、輸出によって拡大が見込める市場とどちらが大きいのかについて、誰も分からないのが実態ではないでしょうか。だから、論争はすれ違ったままなのです。

 「孫子」作戦編に出てくる「兵は拙速を聞く」とは、戦争は短期で終わらせなければならないという教えです。長期化すればカネがかかって、国が疲弊してしまいます。国家の疲弊を避け、戦争を短期間で終わらせるには、敵を知り、確実に勝てる体制を作ることが必須です。
 TPP推進派も反対派も、結論を早く出しすぎます。TPPの評価を行うのに、反対派も推進派も個別の作物ごとに十分な調査とシミュレーションを行い、その結果が正しいのか間違っているのかを検証してから賛成・反対を決めるべきです。それが間に合わないなら、個別に関税交渉を行う方が間違いが少ないのは自明の理でしょう。

 「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」。敵も味方もろくに知らない状況で、TPP参加の意思決定を行ってはなりません。

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